今さら聞けないSNSマーケティングの基本【基本的な指標など】

SNSマーケティングの基礎をおさらいしながら、押さえるべきポイントや基本的な指標、広告との役割分担、そして「継続」の重要性について解説します

SNSマーケティングという言葉は今やビジネスの現場で当たり前のように使われています。しかし、「とりあえずアカウントを作ってみたけど、何を投稿すればいいのか分からない」「フォロワーが増えない」「反応が薄くてやる気が出ない」といった声は少なくありません。

実際、SNSは手軽に始められる反面、成果が見えにくく、途中で挫折してしまう企業や担当者も多いのが現状です。

この記事では、SNSマーケティングの基礎をおさらいしながら、押さえるべきポイントや基本的な指標、広告との役割分担、そして「継続」の重要性について解説します。「なんとなく始めた」から「戦略的に育てる」SNSへ。明日からの運用改善に役立ててください。

SNSとは

SNSの定義と進化

SNS(Social Networking Service)は、個人や企業がインターネット上で情報を発信し、双方向のコミュニケーションを可能にするサービスです。Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、Facebook、YouTube、LinkedInなどが代表的なSNSです。

初期は「友人とのつながり」が主目的でしたが、近年は「情報収集」「商品・サービスの発見」「購買行動のきっかけ」など、生活やビジネスに密接に関わるインフラ的存在となりました。企業がSNSを活用する目的も、ブランディング、集客、ファンづくり、リード獲得など多岐にわたります。

消費者行動モデルの変化(AISASやコトラーの5A)

SNSが普及したことで、消費者の購買行動は大きく変化しました。

従来の「AIDMA(注意→興味→欲求→記憶→購入)」から、今は「AISAS(Attention→Interest→Search→Action→Share)」が主流になっています。検索・共有というアクションが組み込まれている点が特徴で、SNSはその「Search(検索)」と「Share(共有)」に大きく関与しています。

また、コトラーの「5A(Aware→Appeal→Ask→Act→Advocate)」では、SNSは特にAsk(調査・比較)とAdvocate(推奨)の段階で機能します。ユーザーが投稿したレビューや体験談が、他の消費者の意思決定を左右するようになった今、SNSの影響力は無視できません。

マーケティングの一部としてのSNS

SNSは万能ではない

SNSは非常に強力なツールであり、マーケティングファネルに幅広く影響を与えます。ただし決して万能というわけではありません。SNSだけで認知から購入、リピート、ファン化まで完結させることは難しく、あくまでマーケティング全体の一部であることを理解しておく必要があります。

目的によっては、広告、メルマガ、LP、SEO、セミナー、オフラインイベントなど、他の手段と組み合わせた設計が不可欠です。

バズは狙うものではなく、起こるもの

SNS運用でよくある誤解が「バズらせたい」「とにかく拡散されたい」といった短期的な思考です。しかし、バズは狙っても再現性がなく、話題性だけで終わることも多いのが実情です。

本質的には「コツコツ積み上げていくこと」によって、ブランドイメージの形成や信頼の獲得につながっていきます。

マーケティングファネルの中でのSNSの役割

SNSは、マーケティングファネル(認知→興味→比較→購入→リピート→ファン化)の中でも、特に以下の段階に強く働きます。

  • 認知:広告やリール・ショート動画によって多くの人に届く
  • 興味・比較:ストーリーズや投稿で商品や企業の考え方に触れる
  • ファン化:共感を生む発信により、継続的に応援される関係性が築かれる

主なデータ指標を知ろう

SNS運用の効果を測るためには、感覚や“いいねの数”だけでは不十分です。以下に、基本的かつ重要な指標を紹介します。

フォロワー数

最もシンプルな指標。アカウントの規模や影響力の目安になりますが、フォロワー数だけを追いかけるのは危険です。「誰に届いているのか」が本質であり、ターゲット外のフォロワーばかり増えても意味がありません。

インプレッション

投稿がユーザーの画面に表示された合計回数。同じ人に複数回表示された場合もカウントされます。認知度や表示頻度の目安として使います。

リーチ

投稿を閲覧した「ユニークユーザー数」。つまり“何人に届いたか”を示します。新規層へのリーチが増えていれば、アカウントの成長に繋がっていると判断できます。

フォロー率(プロフィール閲覧→フォローされた率)

フォロー率(Follow Rate)は、プロフィールを見た人のうち、実際にフォローした人の割合です。いくら投稿がバズっても、プロフィールからの離脱率が高ければフォローにはつながりません。

  • フォロー率(%)= フォロー数 ÷ プロフィール閲覧数 × 100

例えば、プロフィール閲覧が1,000回あって、100人がフォローしたら、フォロー率は10%です。プロフィールの魅力やコンセプト設計が鍵を握ります。

エンゲージメント率(いいね・コメント・保存など)

リーチやインプレッションに対する反応率。1〜3%程度が平均的な水準ですが、フォロワー数が少ないアカウントほど高くなりやすい傾向があります。投稿内容やフォーマットごとにチェックし、改善の指針にします。

ハッシュタグ・メンション

  • ハッシュタグ:検索流入やおすすめ表示の入口になります。トレンドや業界関連のタグを活用するとリーチ拡大につながります。
  • メンション:ユーザーがブランドや商品を言及すること。UGC(ユーザー生成コンテンツ)を促す重要な手段です。

SNS広告とは

SNS広告の仕組みとターゲティング

無料のオーガニック投稿に対して、SNS広告は、ユーザーの年齢・性別・興味関心・地域・行動履歴などをもとに配信できる有料のマーケティング手段です。運用の自由度が高く、少額からテスト可能なのもメリットです。

例:ある語学学校は「25〜35歳・女性・東京在住・英語に関心のある層」に向けて、Instagram広告を配信したところ、月10件の無料体験予約を獲得。

オーガニック投稿との役割分担

  • オーガニック投稿:日常的な情報発信、信頼関係構築、ブランドの価値観共有
  • 広告:即効性のあるアクション喚起(資料請求・購入・予約など)

広告だけで運用を成立させようとすると、企業アカウントの“中身”が伴わず、離脱されるリスクが高まります。両者をうまく組み合わせることで、効果は何倍にも広がります。


SNSは継続がすべて

なぜ継続が重要か

SNSは「継続しなければ存在しないのと同じ」とすら言われます。毎月数回しか投稿がないアカウントや、数ヶ月更新が止まっているアカウントは、それだけでユーザーの信頼を損ねかねません。

また、SNSはアルゴリズムの影響が大きく、継続的なアクションが優遇される傾向があります。たとえ最初のうちは反応が薄くても、地道な投稿が後々の“資産”になります。

継続するための工夫

  • 投稿内容のジャンルを3〜5個に絞る(例:商品紹介、お客様の声、Q&A、業界コラム、社内の様子)
  • 継続できる範囲での最高のクオリティを目指す
  • テンプレートやCanvaを使って投稿を効率化
  • スケジュール投稿ツール(Meta Business Suite、Laterなど)を活用
  • 「完璧を目指さない」マインドで運用ハードルを下げる

継続できないSNSは、逆効果になることも

更新が止まっているSNSアカウントは、顧客から「この会社はやる気がない」「事業がうまくいっていないのでは」と思われるリスクがあります。それなら最初から運用しない方が良い、という声もあるほどです。


SNSマーケティングは、手軽さと柔軟さが魅力である一方、「なんとなく運用」では効果を発揮できません。以下の3つのポイントを意識することで、確かな成果につながります。

  • SNSは育てるもの:一発バズよりも、毎日の積み重ねが大切
  • 数値で振り返る:フォロー率やエンゲージメント率で改善ポイントを発見
  • 継続できる設計がカギ:仕組みを作って続けることが最大の成功要因

「SNSマーケティングって難しそう…」と感じている方こそ、まずは“基本のキ”をおさえてみてください。小さな改善を積み重ねれば、必ず成果はついてきます。