初頭効果と親近効果とは?具体例とマーケティング活用のポイントを解説

初頭効果と親近効果とは

最初と最後に与えられる情報が人の印象に大きく影響を与えるという「初頭効果」と「親近効果」は、私たちが商品やサービスを売り込むうえでも非常に重要な心理的効果です。ここでは、この2つの効果の意味や、具体的な活用事例についてわかりやすく解説します。マーケティング戦略を考える際に、ぜひ参考にしてみてください。

初頭効果(Primacy Effect)とは

初頭効果とは、最初に与えられた情報がその後の印象を左右しやすいという心理的現象のことです。初めて目にした広告や、初対面の人との第一印象など、最初に受け取る情報は特に記憶に残りやすく、評価や判断の基準となる傾向があります。

なぜ初頭効果が起きるのか

人の脳は、新しい情報を処理するときに集中力や記憶力を多く使います。最初に飛び込んでくる情報に対して「これはどんな内容なのだろう?」と興味を持ち、注意を払うため、しっかりと記憶に刻まれやすいのです。また、最初の情報が「基準点」として、その後に受け取る情報を評価する指標になりやすいことも、初頭効果が生まれる大きな要因です。

初頭効果の具体例:第一印象が肝心

たとえば、就職面接や商談など、初対面の場面では第一印象が重要だとよく言われます。実際に、面接官や取引先は最初の数分で相手に対するイメージを形成し、その後のやりとりの評価にも大きく影響を与えます。初対面で好印象を与えられれば、その後に多少のミスがあっても大目に見てもらえる可能性が高まるのです。
同じように、商品やサービスをPRする際にも、最初の打ち出し方やパッケージ、キャッチコピーなどが購買意欲に直接影響を及ぼします。最初に魅力をしっかりと伝えることで、「この商品は良さそうだ」というポジティブな認識を形成しやすくなります。


親近効果(Recency Effect)とは

親近効果(終末効果とも呼ばれる)とは、最後に与えられた情報が最も印象に残りやすいという心理的現象です。初頭効果が「最初」に注目するのに対して、親近効果は「最後」に注目する点が異なります。

なぜ親近効果が起きるのか

脳は、新しく得た情報を短期的に保持する機能(ワーキングメモリ)を持っています。特に、直近で得られた情報ほどワーキングメモリに保持されやすく、その後の評価や判断を左右します。さらに、「終わり良ければすべて良し」という言葉があるように、最後の印象が全体の体験を大きく左右する傾向が強いため、親近効果が働きやすいのです。

親近効果の具体例:ラストシーンが印象を決める

映画やドラマのラストシーンに感動すると、作品全体に対して好意的な印象を抱きやすくなることがあります。実際、ストーリーに途中で少し退屈な場面があったとしても、最後が感動的であれば「良い作品だった」と感じやすいのは親近効果の典型例です。
また、商品のプレゼンテーションや接客の場面でも、最後のひと言やアクションが好印象を与えるかどうかで、お客様の購買意欲が大きく変わる可能性があります。たとえば、接客時の「ありがとうございました。お気軽にご相談くださいね」といった親切な一言が、新近効果によって相手の心に強く残り、購買やリピート利用につながることがあるのです。


マーケティングでの活用ポイント

初頭効果と親近効果とは
初頭効果と親近効果とは

1. 最初の印象を最大限に高める(初頭効果の活用)

マーケティングにおいて、ユーザーや顧客が最初に触れる部分は非常に重要です。Webサイトであればファーストビュー、実店舗であれば入り口や入り口近くのディスプレイなどがこれにあたります。

  • Webサイトのファーストビュー
    サイトを開いた瞬間に目に飛び込むビジュアルやキャッチコピーによって、ユーザーが「ここで探している情報が得られそうだ」と感じるかどうかが決まります。商品の魅力を短い言葉やインパクトのあるビジュアルで伝え、期待感を高めましょう。
    例としては、大きめのヒーローイメージと簡潔でわかりやすいキャッチコピーを配置し、ユーザーにとってのメリットをひと目で理解できるようにすることが大切です。また、「今すぐ購入」「無料トライアルを始める」などの行動喚起(CTA)を適切な位置に置くことで、スムーズに次のアクションへ誘導できます。
  • 実店舗での入り口演出
    おしゃれなディスプレイやポップ、香りなどを活用して、一歩足を踏み入れたときから「良いお店だな」というイメージを抱いてもらう工夫が欠かせません。店内へ入りやすい雰囲気づくりによって、商品を見てもらえる確率が高まります。

2. 最後の印象を大切にする(親近効果の活用)

人は、体験の最後に与えられる印象でその体験全体を判断することが多いです。購買行動においては、購入プロセスの最後や、商品・サービスを利用してもらった後のフォローが重要になります。

  • 購入完了後の体験設計
    「購入ありがとうございます」という感謝の気持ちを伝えるメールやメッセージを送る、あるいは次回に使えるクーポンを同封するなど、購入後のフォローをしっかり行うことでユーザーとの関係を強化できます。これによって「ここで買ってよかった」「また利用したい」という好印象を残すことが可能です。
  • カスタマーサポートやアフターフォロー
    商品やサービスを提供した後に、「何か困ったことはありませんか?」といったサポートや使い方のヒントなどを案内することで、ユーザーは安心して利用できるようになります。もしトラブルが発生した場合でも、適切なサポートが受けられると感じると、ブランドに対する評価が高まるのも新近効果の一例です。

初頭効果と親近効果を組み合わせる

最初と最後、両方の印象を丁寧に設計することで、顧客体験の質を大幅に高めることができます。たとえば、以下のような流れを意識すると良いでしょう。

  1. 第一印象(初頭効果)
    • 広告やサイトのファーストビューでポジティブな興味を引く
    • 初回接客・打ち合わせでの好印象づくり
    • ブランドのストーリーやビジョンを端的に伝える
  2. 体験のプロセス
    • ユーザビリティの高い購入導線やスムーズな手続き
    • シンプルでわかりやすい商品の説明
  3. 最後の印象(親近効果)
    • 購入完了後の感謝メッセージや特典
    • アフターフォローの案内
    • SNSや口コミ投稿のきっかけづくり

どちらか片方だけに力を入れるのではなく、「最初と最後の両方を上手に演出する」という視点がマーケティングで大切なポイントです。商品やサービス、あるいは接客などのやりとりにおいても、最初のイメージづくりと最後の締めくくりの両面を意識してみてください。


初頭効果と親近効果は、人が情報を受け取るときの心理的なクセを表す重要な概念です。最初に受け取る情報は強い印象を残し、最後に受け取る情報は記憶の中で大きなウェイトを占めます。したがって、「最初と最後」の演出やコミュニケーションにこだわることで、顧客体験を向上させ、購買意欲を高めることができるのです。

  • 初頭効果の活用: ファーストビューや第一印象を徹底的に高める。商品・サービスの魅力を端的かつわかりやすく伝える。
  • 親近効果の活用: 最後に良い印象を残す仕組みづくり。購入後の感謝やアフターフォローでユーザーの満足度を上げる。

これらを組み合わせることで、ユーザーにとって「気持ちの良い体験」や「また利用したい」と思える購買体験を提供できるはずです。ぜひ、普段のマーケティング施策や商品企画、接客の場面で意識してみてください。最初と最後の両方にこだわった戦略は、きっとビジネス成果につながっていくことでしょう。