人気プロテイン『SAVAS(ザバス)』のマーケティング戦略を4PとSTPを使って分析

今回は、国内プロテイン市場で長きにわたりトップシェアを誇る人気ブランド「SAVAS(ザバス)」のマーケティング戦略を、4P(Product/Price/Promotion/Place)とSTP(Segment/Targeting/Positioning)のフレームワークを使って分析してみたいと思います。最近では筋トレや健康志向の高まりから、「ジムに通うほどではないけど気軽にプロテインを摂りたい」というライトユーザーが増加していますよね。そんな市場のニーズ変化に対して、「ザバス」はどのように取り組んでいるのでしょうか。

この記事でわかること

  • 「ザバス」がどんなブランドなのか
  • 4Pの観点から見る「ザバス」の強み
  • STPの観点から見る「ザバス」のターゲットとポジショニング
  • プロテイン市場における「ザバス」成功のポイント

SAVAS(ザバス)とは

「ザバス」は1980年に発売された、株式会社明治が展開するプロテインブランドです。粉末タイプやミルクプロテインドリンク、バータイプなど幅広い商品ラインナップを揃え、国内シェアNo.1の実績を持っています。ここ数年で筋トレ需要が高まっていることはもちろん、フィットネスジムに通うライトユーザーや、ダイエット・健康管理の一環としてプロテインを活用する女性ユーザーなど、ユーザー層はさらに広がっています。

そんな多様化する市場ニーズに応えるため、「ザバス」では商品形態やフレーバーのバリエーションを拡大し、ECサイトやSNS、海外越境ECなどを通じたデジタルマーケティングに力を入れているのが特徴です。


SAVAS(ザバス)を4Pで分析

1. Product(製品)

「ザバス」の強みは、まず何といっても幅広い商品展開にあります。

  • 粉末タイプ: 筋トレに本格的に取り組むユーザー向け。ホエイプロテインやソイプロテイン、カゼインプロテインなど目的や好みに応じて選べる種類を揃えている。
  • ドリンクタイプ(ミルクプロテイン): コンビニやスーパーの健康飲料コーナーでも手に入る、気軽に飲める製品。味のバリエーションも豊富で、「ココア味」「フルーツ系の味」など、ライトユーザーでも続けやすい。
  • バータイプ: 小腹が空いたときに手軽にタンパク質を補給できるおやつ感覚の商品。持ち運びやすく、職場や学校で間食として利用する人も増えている。

これらの多彩な製品ラインナップを通じて、ユーザーの目的や生活シーンに合わせたプロテイン摂取を提案している点が、「ザバス」が多くの消費者から選ばれる理由の一つと言えるでしょう。

2. Price(価格)

粉末タイプに関しては、高品質・高機能なプロテインゆえに価格帯はやや高めです。他方、ドリンクタイプやバータイプは1本数百円程度で、コンビニで買い物をする感覚で購入できます。最近は海外メーカーによるコスパ重視のプロテイン(いわゆる“黒船”ブランド)も台頭してきましたが、「ザバス」はあえて「使いやすさ」「栄養バランス」「味のバリエーション」などに付加価値を持たせることで、価格に見合う製品として多くの支持を得ています。

3. Promotion(プロモーション)

「ザバス」は、アスリートやインフルエンサーを活用したSNSマーケティングを積極的に行っています。特に、ユーザー層が拡大する中で、女性向けプロテインやジュニア向けプロテインの商品訴求にも力を入れているのが特徴です。

  • Web広告・SNS: プロテインの正しい摂取方法や、トレーニング効果が伝わる情報発信を行い、初心者でも挑戦しやすいイメージを醸成。
  • アスリートとの契約: トップアスリートの愛用を打ち出し、ブランドの信頼性や機能性をアピール。

また、中国市場では女性KOL(キーオピニオンリーダー)を活用し、「女性でもプロテインを楽しくおいしく飲める」イメージづくりに成功している事例もあります。パッケージデザインなど女性目線を意識した工夫が奏功し、越境ECでの売り上げが急増しているようです。

4. Place(流通)

「ザバス」のもう一つの強みは、どこでも買える流通網の広さ。ドラッグストアやスーパーだけでなく、コンビニでも手軽に購入できる点は大きな魅力です。特にライトユーザーはトレーニングの合間や通勤・通学途中、ちょっとしたタイミングでたんぱく質を補給したいことが多いので、どこでも手に入りやすい環境が購買意欲を後押しします。

さらにECサイトや海外越境ECの強化で、国内外問わず購入しやすい仕組みを作っているのもポイント。実店舗とオンラインの両軸で売り場を確保していることは、競合他社と比べても優位性が高いと言えるでしょう。


SAVAS(ザバス)をSTPで分析

1. Segment(セグメント)

プロテイン市場自体が拡大し、ユーザー層が大きく変化していると考えられます。大きく3つほどセグメントを挙げると、

  • 本格的に筋肥大を目指すヘビーユーザー
  • ダイエットや健康管理に利用するライトユーザー
  • 女性ユーザーやジュニアなどの新規層

「ザバス」はこれらのセグメントに対応するため、それぞれに向けた粉末・ドリンク・バーなどの幅広い商品を用意しています。

2. Targeting(ターゲティング)

「ザバス」が特に注力しているのが、ライトユーザーの取り込みです。これまでプロテインといえば「ゴリゴリに筋トレをする人向け」のイメージが強かったものの、最近ではチョコザップのような24時間ジムや小規模フィットネスジムの普及により、「軽い運動やダイエットの一環でプロテインを試してみたい」というユーザーが急増しています。

実際にコンビニで手軽に買えるドリンクタイプや、おやつ代わりに食べられるバータイプを揃えることで、多くのライトユーザーへ“プロテイン生活”を広げようとする戦略がうまく機能していると考えられます。

3. Positioning(ポジショニング)

ここでは縦軸をユーザーの「筋トレへのシリアス度」、横軸を「商品タイプ(液体か固形か)」で考えてみましょう。

縦軸が上に行くほど筋肉づくりに本気な層、下に行くほど健康維持・ライト層とすると、粉末タイプは本格層に刺さる商品、ドリンクタイプやバータイプはライト層が取り入れやすい商品、と位置付けられます。

「ザバス」は、同じブランド内で上記すべてのポジションをカバーし、ヘビーユーザーから初心者まで幅広くアプローチしている点が大きな強みです。


SAVAS(ザバス)成功のポイント

フィットネスジム市場、特にライトユーザーの成長
チョコザップのような24時間ジムや手軽に通えるフィットネスジムが増えたことで、ちょっとした健康づくりやダイエット感覚でジムに通うライトユーザーが拡大しています。こうしたユーザーは「ゴリゴリに筋肉をつける」ほどではなく、「必要なタンパク質を気軽に取りたい」というニーズが高めです。

コンビニで手に入る手軽さ
ライトユーザーにとって、わざわざ粉末を準備したりシェイカーを使ったりするのは手間がかかります。その点、SAVAS(ザバス)のドリンクタイプやバータイプは、コンビニの健康飲料棚で手軽に手に取れるのが大きな強みです。仕事や学校の合間、トレーニング後など、いつでもサッと購入できる利便性が支持を集めています。

味のバラエーションの豊富さ
SAVASのドリンクタイプには複数のフレーバーがあり、「おいしく続けられる」と評価されています。他社のゼリータイプ商品が一種類の味しかない場合もある中、SAVASはフルーツ系やココア味などバラエティー豊富なので飽きにくく、初心者にも受け入れやすい点がポイントです。また、1本で10~20g程度のたんぱく質を補給できるので、ちょっとした栄養補給にも十分な量をカバーできます。

シリアス層への入り口を作っている
最初はコンビニで手軽にドリンクタイプやバータイプを試してみて、効果を実感し「本格的に取り組みたい」と思った人には、粉末タイプなどの上位商品が用意されています。ライトユーザーがSAVASブランドに慣れ親しんだ上で“ロイヤルカスタマー”に成長し、最終的には本格的な粉末タイプにシフトする流れができているのも、SAVASの大きな成功要因といえます。


国内プロテイン市場がここまで活況を呈しているのは、単なる筋トレブームだけでなく、「健康意識が高まり、手軽にタンパク質を補える商品を求める人が増えた」ことが背景にあります。そんなユーザーのニーズに対して、「ザバス」は粉末・ドリンク・バーなどあらゆるタイプを揃え、コンビニやECサイトなど購入手段も多彩に用意。さらにSNSやアスリート起用でブランド価値を訴求するなど、4PとSTPの両面から効果的な戦略を展開してきました。

特にライトユーザーを取り込み、その中から本格的な筋トレ層へステップアップさせる仕組みを整えている点が、「ザバス」成功の大きな要因といえるでしょう。今後も海外展開や新製品の投入など、勢いはますます続きそうですね。今まさに「プロテインを始めたい」と思っている方は、「ザバス」の豊富なラインナップをきっかけに、自分に合ったスタイルを探してみるのも良いかもしれません。